5月27日[金]よりアップリンク吉祥寺他にてロードショー!5月27日[金]よりアップリンク吉祥寺他にてロードショー!
#頭痛が痛い
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解説
INTRODUCTION

自傷行為や恋愛感情のないセックスを繰り返し、家庭に不和を抱える不登校気味の高校生・鳴海と、エゴだとわかりつついつも人のことを考え、救急セットを持ち歩く同級生・いく。二人は、いくが鳴海のライブ配信を見るという一方通行の関係だったが、いくが梶井基次郎の『檸檬』のように、自分の遺書を赤の他人の家に投函するところを鳴海が目撃し、互いの心と傷の手当てをし、支え合う関係に発展していく。

監督は、第28回新人シナリオコンクールに『幸福なLINE』に佳作1位に入選した守田悠人。本作は初監督作品となり、映画監督の登竜門であるぴあフィルムフェスティバルのPFFアワード2020審査員特別賞を受賞した。審査講評では、画家・平松麻に「守田監督はいつもいくと鳴海の横にいるように私には見えました。ひとのいたみを分かったつもりでやり過ごしてしまう危うさに守田監督は向き合っていたのだと思います。」と評された。

いく役を、本作で映画デビューの阿部百衣子、鳴海役をフリーランスのモデル・俳優のせとらえと。いくの遺書を読み、正義感に突き動かされるフリージャーナリスト・直樹役を、『JOINT』の鐘ヶ江佳太。他、山本華世子杉山宗賢大友久志ナツメが脇を固める。

あらすじ
STORY

東京五輪に向けた新国立競技場の建設が進む 2018 年の東京。不登校気味の高校生・鳴海(せとらえと)は ライブ配信を行うことにより、行き場の無さを埋めようとする。鳴海の同級生・いく(阿部百衣子)はいつ も明るく振る舞う反面、形容しがたい憂鬱な気持ちを吐き出せずにいた。ある日いくは、梶井基次郎の『檸檬』のように、自分の遺書を赤の他人の家に投函することで憂鬱を晴らそうとする。その遺書を読んだ鳴海と、フリージャーナリストの直樹(鐘ヶ江佳太)は、いくが発するSOSを感じ…

キャスト
CAST

  • 阿部百衣子

    島内いく役
    阿部百衣子 Moeko Abe

    1996年2月21日生まれ。愛知県出身。
    8~10歳アメリカ在住。多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科卒。 自身を救ってくれたのは映画や演劇であった経験から、同じように苦しむ人の力になりたい、自ら命を終わらせる人を一人でも減らしたい、という想いから俳優を志す。舞台出演作に、シラカン「永遠とわとは」、U-33project「むむちゃん」など。本作で映画初出演にして初主演。
  • せとらえと

    佐藤鳴海役
    せとらえと Setoraeto

    1991年7月29日生まれ。兵庫県出身。
    フリーランスモデル・俳優。
    映像作品をメインとして、アーティストのミュージックビデオ、ショートドラマ、映画などに出演。趣味・特技はピアノ。本作で映画初主演。
  • 鐘ヶ江佳太

    浅井直樹役
    鐘ヶ江佳太 Keita Kanegae

    1984年1月10日生まれ。広島県出身。
    2005年「不良少年の夢 〜ヤンキー母校に帰る〜」でドラマデビュー。同年『タッチ』(05/犬童一心監督)で映画デビューを果たす。
    以降は、映画『バベル』(06/アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督)、 『JOINT』(21/小島央大監督)など映画、ドラマ、舞台、CMなど幅広く活動中。
  • 山本華世子

    宮下麻衣役
    山本華世子 Kayoko Yamamoto

    1986年9月10日生まれ。福岡県出身。
    20歳から舞台を中心に活動を開始。20代後半から映像作品や広告モデルなどにも活動の幅を広げている。過去の出演作品に『エレファントソング』(19/渡邊高章監督)、『二宮金次郎』(19/五十嵐匠監督) 、「黒薔薇2」(EX) 、「刑事7人」(EX) 、「住友不動産」CM、「飯田ホールディングスPRESIS」WEBムービー他。
  • 大友久志

    佐藤隆之役
    大友久志 Hisashi Otomo

    1976年8月28日生まれ。東京都出身。
    さわやかな役から狂気をはらんだ役まで演じる。映画、ドラマなどに出演。近年出演作品に『人間失格 太宰治と3人の女たち』(19/蜷川実花監督)、『トリノコシティ』(17/山口ヒロキ監督)、『ウルフなシッシー』(17/大野大輔監督) 、「ニッポンに蒸気機関車が走った日」(NHK)などがある。
  • ナツメ

    佐藤恵子役
    ナツメ Natsume

    1978年7月20日生まれ。群馬県出身。
    学生時代に英語ミュージカル部と声優養成所で演技をスタートし、その後ミュージカル・ストレートプレイ・ダンス公演等舞台活動を開始。モデル・声優ナレーター・ラジオパーソナリティー等としても活動。映画は本作『頭痛が痛い』が初出演。
  • 杉山宗賢

    工藤将也役
    杉山宗賢 Soken Sugiyama

    1994年12月16日生まれ。静岡県出身。
    映画、ドラマなど多方面で活躍中。主な出演作品に、『夜光〜ある定時制高校の物語〜』(20/武田恒監督)、『指の輪のなかで』主演(18/緒方一智監督) 、『帝一の國』(17/永井聡監督) 、「先に生まれただけの僕」(NTV)、「アサヒースーパードライ」CM、「PILOT フリクションボールペン」CMなど。

ディレクター
DIRECTOR

守田悠人

脚本・監督
守田悠人 Yuto Morita

1997年3月25日生まれ。愛知県出身。
大学4年時に執筆した『幸福なLINE』が第28回新人シナリオコンクールで佳作1位受賞。元々脚本家志望だったが、『ラザロ-LAZARUS-』(07/井土紀州監督)と出会ってしまったのを契機に、監督として自主映画制作を始める。『頭痛が痛い』は初監督作品。

コメント
COMMENTS

  • 爪切り男
  • GOMESS

監督・キャストコメント

  • 本作は2018年に製作したもので、オリンピックを控えた東京が舞台となっています。
    本作には「檸檬」(著・梶井基次郎)の引用が幾つか出てくるのですが「檸檬」の中には、憂鬱に対しての画期的なアプローチが内包されており、それは初版から約100年経った今でも色褪せていません。
    憂鬱というものも一向に色褪せる気配がなく、折り合いをつけながら生きていくしかありません。しかし反面、折り合いをつけてたまるかとも思います。
    コロナウイルス、ロシア政府によるウクライナ侵攻などによって、2018年に想像していた未来が大幅にキャンセルされていく中、東京五輪がいつの間にか素通りし、今を迎えています。たった4年の間に日常や映画という媒体の立ち位置が大きく書き換えられたように感じますが、劇場や、劇場に足を運んでくださる皆様の存在によって本作の居場所が生まれることを、心より嬉しく思います。

    脚本・監督:守田悠人

  • 演じたいくは、一言で言うと、過去の自分にものすごく近い子だな、と思いました。
    自分はそんなことしたいと思っていないのに、分かりやすく誰かに優しくしたり、人に感謝をされることをする。それがいくにとっての自傷行為で、それを発散するための方法が遺書を投函すること。誰の記憶にも残らずすっと水蒸気みたいにいなくなりたいのに、むざむざと爪痕を残そうとしてしまう、本人も気づいていない「矛盾と葛藤」みたいなものを表現できれば、と思いながら演じていました。

    完成した映画を見た時は、不思議な感覚でした。島内いくという架空の人物でもあり、過去の自分を見ているようでした。最後にはどこかで救われていて欲しい、と願いながら見ました。

    PFFでこの映画が評価を受けられたということは、まだ世界に救いが残っているということだと思います。「死にたい」はタブーな感情で、表に出すことはなかなかできないかもしれないけれど、決して悪いことではない。誰だって抱いていい感情で、その感情を抱きながらも生きている人がいる。世の中は断絶をし続けているし、人と人は簡単には思いを共有できません。それでも、どこかには「生きていて欲しい」と願う人がいる。綺麗じゃなくても泥臭くてもいいから生きていていい。
    人と人との溝が深くなってしまった今だからこそ、見て欲しい映画です。

    いく役:阿部百衣子

  • 鳴海は、一見やさぐれているようだけど、不器用で繊細で傷付きやすく、自分自身の中に色々な葛藤を常に抱えている女の子だと思いました。鳴海は昔の自分と被るところもあり、その頃の事を思い出しながら演じた箇所もありました。
    あと、あまり感情を表情に出せないぎこちなさみたいなのを意識しました。

    完成した映画を見て、その時の心情だったり、見る度に感想や想いが変わる映画だなと思いました。みんな幸せになって欲しいと思いました。

    PFFで審査員特別賞を受賞した際は、良い意味で驚きはしなかったと言いますか、自分の中で特別で大切な映画が評価されて嬉しかったです。ただ少しグランプリを獲れなかった悔しさもありました。

    「しんどいな」「死にたいな」と思うことに罪悪感を持ってしまったり自分を責めてしまう人って多いと思うんです。この鬱々としたご時世だからこそ、とかは言いたくないけれど。そういう人たちに観て欲しいし、死にたいなんて思ったことない人にも、「こういう人たちもいるんだ」って知って欲しい。あとは自分を大切にして欲しい。とにかく劇場に足を運んでいただきたいです。

    鳴海役:せとらえと

劇場情報
THEATERS

2022年5月17日現在
※上映劇場・日程が変更となる場合がありますので、
鑑賞の前に必ず各劇場にご確認ください。
地域 劇場 電話番号 公開日
東京 アップリンク吉祥寺 0422-66-5042 6月3日(金)〜16日(木)
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